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<事例紹介>AIと化学分析を融合した繊維種識別手法の技術検討-ディープラーニングを活用した判別精度向上への取組み -

EQUESは、ニッセンケン品質評価センターと共同で「化学分析とAI技術を融合した新たな判別技術開発の取組み」を開始しました。
従来の手法では識別が困難であった繊維種の判別に対し、ディープラーニング技術を適用した検証結果について報告します。

2025年4月30日



EQUES協力のもと、ニッセンケン品質評価センター(以下、ニッセンケン)では繊維製品の品質管理技術向上を目的として、化学分析とAI技術を融合した新たな判別技術開発の取組みを開始しました。本稿では、EQUESが協力した、従来の手法では識別が困難であった繊維種の判別に対し、ディープラーニング技術を適用した検証結果について報告します。


■これまでの品質管理技術開発の取組みと挑戦


ニッセンケンではこれまで、従来の化学分析に多変量解析を組み合わせることで、獣毛種、ポリエステル種(PET・PTT・PBT)、麻種(リネン・ラミー)など、従来の化学分析方法では明確な識別が困難な繊維種の判別技術を開発。特に2022年にPETボトル由来のリサイクルPET繊維の判別手法を開発した際には、大きな反響があり、現在では多くの試験依頼を受けるようになっています。


こうしたニッセンケンの試験技術の開発により、高い識別精度を実現してきましたが、EQUESはさらなる精度向上を目指し、より高度な識別技術の実現に向けたニッセンケンの挑戦を支援し続けています。



■「人の知見 × AIの判断力」を組み合わせることで、判別精度の大幅な向上


このような背景から、EQUESはAIを活用してニッセンケンの技術を一層向上させ、新たな品質管理技術の可能性を探るため、「見た目や成分が非常に類似していて、従来の化学分析から人間が確実に識別することが困難で、多変量解析を適用しても十分な判別精度が得られなかった」繊維種について、AI技術、特にディープラーニングを活用した繊維種の判別をニッセンケンと共に挑戦しました。


※ディープラーニング(Deep Learning):AI(人工知能)の一種であり、大量のデータを学習させることで、自動的にパターンを抽出・識別する技術。













その結果、EQUESのディープラーニング技術の活用により、多変量解析だけでは判別が難しかったサンプルのうち、最大で80%以上の精度での判別が可能となりました(図1参照)。これにより、基本的な多変量解析手法とEQUESの提供するディープラーニングを組み合わせて使用することが、繊維種判別において効果的であることが明らかになっています。



■今後の展望


EQUESは、ニッセンケンへの支援を通じてより高精度で信頼性の高いサービスを提供し、繊維・ファッション業界全体の品質向上に貢献します。





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社名

代表取締役

設立

本社所在地

事業内容

©2022 by EQUES

株式会社EQUES(エクエス)

岸尚希

2022年2月

東京都文京区本郷3丁目30番10号本郷K&Kビル2F

AIソリューション開発

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